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坂木司氏の『肉小説集』よんだ【本のツボ】
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    評価:
    価格: ¥ 604
    ショップ: 楽天ブックス
    コメント:肉にまつわる短編集。いやもう、坂木氏、うまいなあ、と感心しきりである。おいしいとか、まずいとかを越えて、肉に対する愛情をひしひしと感じた。

    坂木司氏の『肉小説集』を読了。

    肉にまつわる6つの短編集である。

    結構前に出版された本であったが、

    なぜか手に取らずに本日にいたったと。

     

    坂木氏といえば『和菓子のアン』

    つまりおそろしく読みやすい文章で

    日常系ミステリをつむぐかたである。

     

    そののどごしのよい筆での短編。

    もちろんひねりが利いていて

    気軽に読み進めて

    ときどき毒にどきっとするのだ。

     

    大人数で読みあって

    「どの話が好みであったか」

    いいあうのも楽しいかと。

    学校教材にどうか……といおうとしたが

    R指定ギリもあったからアウトかも。

     

    わたくしは年齢のせいか

    『肩の荷(+9)』で

    泣きそうになった。

    地下鉄だったのでヤバかった。

     

    お疲れ気味の方におすすめです。

     

    東野圭吾氏の『人魚の眠る家』を読了【本のツボ】
    0
      評価:
      東野 圭吾
      幻冬舎
      ¥ 1,728
      (2015-11-18)
      コメント:読んだのは文庫版であるが、文庫版の画像がUPできなかったのでこちらで。脳死にまつわる物語である。何をもって人間の死とするのか、それを登場人物がとことん悩んでくれる作品であった。親として、子どもとして、どうしたらいいのか。最後は号泣である。

      東野圭吾氏の『人魚の眠る家』を読了。

      脳死にまつわる物語である。

      何をもって人間の死とするのか。

      誰が決めるのか。

      法律だけで決めていいのか。

      親の気持ちはどうなる?

       そういうことがらを真正面から問い続け、

      登場人物たちがもがきあがく、

      すさまじい物語であった。

       

      読了後、号泣した。

       

      東野氏といえばミステリー作家。

      殺人事件を扱うと思っておられる方は

      いつもと様子が違って戸惑われるであろう。

       

      もっとも、

      冒頭からやたら人物描写が丁寧で

      「これはひょっとすると」

      と思わされ、期待を裏切られなかった。

      最後の最後まで徹底的に登場人物の

      メンタルを描ききってあった。

      すごいなあ。

      東野氏の初期のころの作品を

      思い出したといえば伝わるであろうか。

       

      こういうメンタルディープな物語、

      天童荒太氏的というかなんというか、

      書き上げられた東野氏の体力と

      メンタルのすごさを痛感。

       

      しかも文庫版の帯に

      2018年11月に映画化?

       

      ……大変ではないか。

      役者さんたちメンタルやられちゃうぞ?

      ガチでいかないと吹き飛ばされるぞ?

      そして

      観客もまた覚悟を必要とされるであろう。

       

      この手の作品は説明が難しい。

      明瞭な犯人がいて殺人が起きて、

      トリックがあって

      それを推理して解決していく、

      そういう物語がいかに

      「どんな物語であったか」

      を他者に伝えるとき楽であるか。

       

      いいとか悪いとかではない。

      そういう種類であることに

      いまさらながらに気づかされた、

      そのきっかけになった作品であった。

       

      お疲れ様でした。

       

      川上弘美氏の『水声』よんだ【本のツボ】
      0
        評価:
        川上 弘美
        文藝春秋
        ¥ 648
        (2017-07-06)
        コメント:家族の、物語である。それが最適の紹介であろうか。ママとパパと弟の陵と「わたし」の物語である。ふつうとは違うかもしれない。けれどそこには確かな愛情に満ちた、「わたし」の60年近い年月が丹念に描かれた、濃い1冊。

        川上氏の『水声』を拝読。

        すいせい、と読む。

         

        「ひとつひとつの言葉を大切にした

        そんな作品が読みたいな」

         

        そういうときに川上氏を手に取る。

        エンタメ性はいらない。

        短い言葉に含まれた

        思いの海に触れていたい、

        (読了後にこういう

        ポエマーな表現になるのが

        川上氏にかぶれた証であろうかのう)

        そういうときに最適。

         

        「文字の冒険の旅に出たい」

        というときには不向きであるので注意。

         

        本作、主人公がもうすぐ還暦、という

        そこまでの時間を

        時系列をいったりきたりしながら

        進む物語である。

        進んでいるのか引き返しているのか

        途中でわからなくなる。

        揺れる船の中にいるみたいな気分で、

        なんの話をしているのかさっぱりで

        それでも作品をつらつらと

        重ねていく川上氏ってすごっ、

        と感動した。

         

        あまり解説は読まないのだが、

        いいたいコト思ったコトはぜんぶ

        解説に書いてあった。

        江國氏である。すごっ。

        というか江國氏、川上氏のこと

        好き過ぎでしょう。

         

        ボリュームは少ない。

        けれど

        「白色矮星かっ」

        というほどの高密度。

        甘く見ると痛い目に遭うのでご注意を。

         

        葉室麟氏の『風かおる』を読了【本のツボ】
        0
          評価:
          価格: ¥ 648
          ショップ: 楽天ブックス
          コメント:鍼医者・菜摘のもとに養父が妻敵討ちの旅から戻ったとのしらせから本作は始まる。歴史小説というよりミステリといい切っていい本作。人間の業を描いた作品である。

          葉室麟氏の『風かおる』を読了。

          本作は葉室氏の訃報、直後に

          刊行された文庫本である。

          (単行本は刊行済み)

          この段階ですでに切ない。

           

          本作、舞台は江戸時代の九州。

          葉室氏のメイン舞台は常に九州なのだ。

          ヒロインは鍼医者の菜摘。

          彼女のもとに養父が

          妻敵討ちの旅から戻ったとのしらせが。

          そこからはじまるミステリである。

          これは時代小説を越えたミステリと

          いいきってよかろう。

           

          個人的には中盤から登場する菜摘の夫

          亮がぜんぶもってった!

          感を否めないのだが。

          それはさておき、

          ひとつの事件を描いた作品である。

           

          亮が登場する前から

          悪役っぽいキャラが

          そこここで伏線的に

          「知らないほうがいいコトがある」

          と繰り返し、

          読者に注意喚起をうながしている。

          そして、実際あまり気持ちのいい

          真相ではない。

           

          なぜ、あえて、この真相を題材にしたのか。

          首をかしげるほどであった。

          一件落着後のオチの爽やかさのギャップが

          どうにもチグハグさを感じるのだ。

           

          なんというか。

          「おじさんたちは業を背負っていくから」

          「うむ。若い者は明るい道をいけよ」

          みたいな突き放された終わり方にも思える。

           

          まあね。

          亮がいるから、いいや。

          そう思えるほど彼は魅力的なキャラであった。

          だからこそ、彼は主人公には適さない。

          脇役でなくてはならない。

          (脇役にしてはオーラありすぎだけど)

          彼が主人公やったら

          ぜんぜん違う話になったであろう。

          それを読みたかったか?

          うーん。

          いや、菜摘が主人公のがいいかな。

          などと勝手にうなずく次第であった。

           

           

          ところで

          1カ月以上ずっとかかりっきりだった

          拙作『岩井クンの祥子センセ事件簿』

          動画第2弾32秒バージョンが完成!

          mp4にはしたけれど、

          YouTubeへはまだUPしていないので、

          ここでのご紹介はしばしお待ちを。

          そのあかつきには、

          音で苦心したから音つきでごらんください★

           

           

           

          王城夕紀氏の『マレ・サカチのたったひとつの贈物』を読了【本のツボ】
          0
            評価:
            王城 夕紀
            中央公論新社
            ¥ 691
            (2018-03-23)
            コメント:量子病に罹患し、世界中を跳ぶ主人公のヒロイン・稀。その病気とどうむきあうかヒロインが奮闘する話、ではない。跳んだ先で稀が見聞きした事柄の羅列の体で、世界がいかに変化していくかを描いた意欲作であろう。

            王城夕紀氏の

            『マレ・サカチのたったひとつの贈物』

            を読了。

             

            量子病という、身体が量子化して

            空間をすり抜けるという、

            そしてジャンプするという病気にかかり、

            日本どころか世界中をランダムに

            いわゆるワープをして回るヒロインの

            物語、だけではない。

             

            正直、コレ、どうご紹介したものか。

            すごく迷った。

            確かに世界規模での話をするには

            量子病は都合がいい。

            量子病をほぼ理解できているヒロインが

            大学で物理を専攻していたというのも

            理に適っている。

             

            文庫の帯、背表紙、そこに書いてある言葉、

            それは嘘ではない。

            でも、すべてではない。

             

            まとめるとーー

            世界を跳ぶことで

            彼女がいろいろな人に出会うことで

            おそらく世界は守られたのであろう、

            ということ。

             

            近未来設定とあるけれど、

            実際に起きていてもおかしくない近未来で、

            ネット社会の危うさ、そして未来、

            人類の次のステップへのーー

            という

            そりゃもう、

            壮大な物語になっている。

             

            わりと文字数は少ない。

            その中でこれらの内容を盛り込むためであろう、

            散文的構成になっている。

            なにしろセンテンスが148もある。

            数行、いや百文字にも満たない

            センテンスもある。

             

            読みはじめのころは

            着地点がまったく読めず

            困惑しきりで、

            このまま読み進むべきか否かとまで思った。

             

            作中の意図を把握してからは

            飛ばし読みができなくなった。

            飛ばし読んだら

            意味がさっぱりわからなくなるから。

            これで時系列までバラバラにされたら

            (多少はばらついているが)

            とても追いつけない作品であった。

             

            もっとも、おそらく著者は

            作品世界で起きていることの信憑性を強めたい

            それが目的でつづっているのであろうから、

            時系列などどうでもいいのだろう。

             

            読了後こまったのは、

            ストーリーを言えないことである。

            ネタバレ不安ではなく「ない」のだ。

            ただひたすら主人公が出会う物語。

            そしてそれが、最大の物語である。

             

             

            #3バームクーヘン問題と優花ちゃんのクリスマス事件 試し読み【本のツボ】
            0

              拙作『岩井クンの祥子センセ事件簿』

              #3バームクーヘン問題と優花ちゃんのクリスマス事件

              配信開始まっさかり中でございます。

               

              連作短編ミステリ

               

              その試し読みをブログで先行配信〜★

              ではさっそくどうぞ!

               

              *試し読み*

               

               翌日、工学部の学食へ入ると窓際に近い横並び席で優花ちゃんが手をふっていた。岩井クンは片手をあげてそれに応じる。
               トレーにかき揚げうどんと無料のうすーいお茶を乗せて優花ちゃんの隣へ座る。そしてふっと笑った。優花ちゃんのトレーには海老だし味噌ラーメンがあった。
              「それ、この前、秋吉も食べてた」
               あ、と優花ちゃんの頬が赤くなる。
              「え、海老だしラーメン美味しいから。ほかの子もけっこう食べているし。岩井クンは食べないの?」
              「うーん。ぼくは醤油ラーメンのほうが好きかな」
               それより、と岩井クンはうすーいお茶の湯飲みを手にとり優花ちゃんの丼へコツンと当てた。小声で続ける。
              「研究室、おめでと」
               ありがと、と優花ちゃんも小声で答える。
              「ちょっと意外だった」
              「なにが?」
              「君野研っていえばセメントとかコンクリートでしょ。優花ちゃんってコンクリート好きだっけ? むしろ蓄電池が好きかと思ってた」
               うーん、とうなり優花ちゃんはラーメンをすする。こういう遠慮がないところが優花ちゃんのいい点である。岩井クンもかき揚げをほぐして口へ入れた。
               レンゲでスープを飲んでから「だって」と優花ちゃんは続けた。
              「君野研を出たら……北海道で就職するのに断然優位だし」
               ……ああ、と岩井クンはうどんを箸でつかむ。札幌生まれ、幼稚園も小学校も中学も高校も札幌。しかも自宅生。そして大学は道民が夢見る北大。さらにはその大学の総長の研究室。これ以上ないエリートコースというやつだ。
               おまけに見た目もキュートで常識も気配りもある。このままいけばどこの企業や団体でも就職できるだろう。そして──両親自慢のひとり娘に磨きがかかるわけである。
               ああでも、と優花ちゃんはあわててレンゲから手をはなす。
              「ちゃんと修士課程は進もうと思ってる。いい加減な気持ちでセメントに向き合わない。安全システムの研究をしたいって教授にも伝えてあるの」
               岩井クンも箸をおろす。
              「優花ちゃんさ。……無理してない?」
              「え」
              「就職優先で研究室を決めるのが悪いとは思わない。よくあることくらいぼくにもわかる。けど、それ優花ちゃんの本心? 親戚みんな北海道の人だよね。あれこれいわれてる?」
               優花ちゃんは困ったような顔をする。
              「あのね。……岩井クンは特別なんだよ」
              「ん?」
              「『なにがなんでも蓄電池の研究がやりたい』」
              「うん?」
              「……そんなふうに思って大学にいる学生が何人いるかな。秋吉クンもそうだと思う。ゲルを絶対にやりたいとか、そんなこと思ってないわ。なんとなく面白そうだからやってみる。そういう人ばっかりなんだから」
               そうだけど、と岩井クンは口ごもる。
              「セメントも勉強してみれば案外おもしろいかも。そう思って決めたの。競争率だって高かったんだから。がんばったんだから」
               そうだろうけど、と岩井クンはさらにくぐもった返事をする。
               どうしようか。
               いうべきか。いわざるべきか。
               数秒まよって岩井クンは優花ちゃんへ顔を向けた。
              「優花ちゃんさ。……総長になにか無理をいわれてない?」
              「……無理?」
              「たとえば──ぼくとか祥子センセに関すること」
               優花ちゃんは箸を手にとりチャーシューをつかむ。はむはむと口へ入れ「別に」と答える。
               泣きたくなる。
               ウソがヘタすぎる。
               そもそも優花ちゃんはすっごく素直な子なんだから。
               めちゃくちゃいい子なんだから。
               そんな子を利用するなんて──。
               あのね、といいかけると優花ちゃんが「あ、そうだ」とわざとらしい声を出した。
              「『総長と語ろう会』に塩野センセに出席して欲しいってことはいっていたわ」
              「『総長と語ろう会』? なにそれ」
              「若手研究者と総長がひとつの講義室で対話する会なんですって。北大の総長がするのは初めての取り組みで君野先生、とってもはりきっているの」
               へえ……なかなかいろいろ意欲的な人なんだな。岩井クンは胸の中で冷ややかにつぶやく。
              「……昨日はすっぽかされたから今回はぜひって。塩野センセに伝えてくれる?」
               昨日? ……おとついじゃなくて?
               岩井クンは眉をゆがめる。
               祥子センセ、今度はなにをやらかした?
               ヒヤリとした気持ちが身体中へ広がろうとしたときだった。
               視界の片隅に秋吉がうつった。
               お、とあごをあげ、「秋吉」と声をかける。
               けれど秋吉は背中を向けるとすたすたと壁際の席へ向かっていく。
              「え? なんで? おおい。秋吉ってば」
               腰を浮かして岩井クンは気づいた。
               いつしか周囲の学生はいなくなっていた。岩井クンは優花ちゃんと隣り合って座っている。向い合ってではなく、『隣り合って』である。そして会話内容は他人に聞かれたくないものだったので、ひそひそとより添うように話していた。
               それは──はた目からすると、大変親密な男女関係に見えるわけで……。
               あの馬鹿。
               早とちりしやがって。
               岩井クンは胸で毒つき「秋吉ってば」と席を動こうとした。そこを誰かに肩をつかまれた。そのまま岩井クンを席へ押し戻し隣の席へどっかりと座る。
              「(ハーイ、ボーイ。なんだ。ガールフレンドがいたのね)」
               岩井クンは目を見張る。
              「(レイチェルさんっ。どうしてここへ? ヘルシンキへ戻ったんじゃ?)」
              「(それがねえ。戻れなかったのよ。わたしだけ途中で引き返して来たの。ウチの馬鹿ボスのせいで)」
               大げさに肩をすくめたメリハリボディの三十代前半外国人女性、彼女は祥子センセの共同研究者であるシュワちゃんのSP兼エージェントのレイチェルであった。
               ちなみにカッコ内は英会話である。

               

               

              (続きは本編で)

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              (画像クリックでHPの岩井クンサイトへジャンプ)

              よろしくお願いします(^_^)/

               

               

               

              天童荒太氏の『ペインレス(上)(下)』読んだ!【本のツボ】
              0

                天童荒太一氏の

                『ペンイレス 上下』を読了。

                レヴュー画像をUPしようとしたのですがね?

                ブラウザのご機嫌が斜めでできぬ。

                 

                さて本作。

                ペイン、すなわち「痛み」についての物語。

                ペインから脳、そして人間の限界さらには

                あらたな人間像へと展開する。

                 

                これを論理的に、かつ一般読者向けに

                いかに料理するか。

                 

                すんごい大変だったと思う。

                切り口は無数にあって

                ヘタすれば全10巻以上にもなりかねないし。

                だから20年ほどかかったと推察される。

                 

                そして天童氏が選んだのは、

                「性」

                性と痛みの関連をとことんつきつめ、

                人間生活に欠かせない内容として

                読み手に提示している。

                 

                だから、さらっと読まれた方は

                ただの官能小説に見えたかもしれない。

                 

                ぜんぜん違うから。

                でも、それを全面に否定すると売れない。

                難しいところですね。切ない。

                 

                主人公のヒロインは

                生まれつき心に痛みを感じられない。

                そのスタンスを、

                途中で語られる別の、そして故人の生き様

                それにおそらく触発されたのだろう。

                彼女は徹底的に貫いていく。

                揺るぎない。

                 

                彼女もすごいが、書ききる天童氏、

                そらもう、すさまじい。

                 

                どんな着地でENDにするのか、

                一行、いや一文字も無駄がないだけに、

                固唾を飲んで読み進んで

                 

                おおおお

                そうきたかーとなった。

                 

                異論も多いかと思う。

                元来、天童氏はそういう作品ばかりを書いている。

                問題提議の作家である。

                『悼む人』しかりでござる。

                 

                わたくしは人類の進化に着目。

                そして方法は違うが30年以上前の

                コミックを思い出した。

                内田善美氏の

                『星の時計のリドル』全3巻

                ハードコミック、絶版

                である。

                 

                語り部である主人公の親友が

                人類を越えて『幽霊』になるまでを

                現代に根付いて、科学的にもあがいて

                描き切った名作である。

                 

                あそこでは「性」ではなく「死」を使った。

                常に「死」を感じることで予感して進化する、

                そういうような、

                それこそ読み手によって受け取り方が変わる

                そういう作品であった。

                 

                人間の種の変化は

                いつでもどこでも

                やはり存在し、それはひそやかな存在なのだ。

                 

                話を戻すと

                天童氏の作品、物凄く凝縮タイプである。

                ゆっくり味わい、咀嚼し、読み進むのを

                オススメする。

                 

                 

                 

                葉室麟氏の『星火瞬く』読んだ【本のツボ】
                0
                  評価:
                  葉室 麟
                  講談社
                  ¥ 713
                  (2014-08-12)
                  コメント:かのシーボルトの息子が主人公の物語である。西洋人の視点で幕末を描かれているという、異色の作品。バクーニンのキャラクターが強烈で、その名がいつまでも頭にとどまった。

                  葉室氏の『星火瞬く』を読了。

                  2014年に文庫になった作品である。

                  未読であったのを漁った。

                  葉室氏はべらぼうな量の作品を遺してくれたのだ。

                   

                  さて本作、かのシーボルトが再来日!

                  しかも息子と一緒に!

                   その息子が主人公の、

                  西洋人視点の幕末モノである。

                   

                  こういう切り口の作品ははじめてで

                  世にあふれる幕末モノにうんざりしている方も

                  これなら新鮮に読めるはず。

                   

                  日本人視点だと

                  どうしてもキーマンが多すぎて

                  派手派手しい時代になる。

                  もっとも、西洋人視点だと

                  開国問題がグローバル視点になって

                  もっと派手派手しくなっていく。

                  バクーニンというロシア人のキャラが濃くて。

                  読了後、ずっと頭に残ったほど。

                   

                  そういう楽しみもできた。

                   

                  西洋人が主人公なので

                  文体も、それっぽくなっている。

                  葉室氏はすごいなあ、とあらためて

                  感服するのみであった。

                   

                   

                  GWの仕入本【本のツボ】
                  0

                    天童荒太氏が新刊を出したので

                    「買わねば!」

                    そして

                    「本の仕入をせねば」

                    と近所の大型書店へいってまいりました。

                    そしてテキパキと仕入れたのが以下。

                     

                    なーぜーか、

                    かなり前の伊坂氏の文庫も。

                    「……買ったっけか」

                    と不安になったので。

                    えっと、たぶん、このころって

                    ちょうど伊坂氏が微妙なかんじに

                    なってたころの作品だった気が。

                    それで

                    情け容赦ないわたくしは

                    「今はパス」

                    と買わなかった気が。

                     

                    ときがたったので購入。

                     

                    そして本命の天童氏。

                    ……帯〜〜〜。

                    自宅でしか読めないでしょ?

                    カバーなしで地下鉄で読んでたら

                    ギョッとされるでしょ?

                     

                    書店をうろついていた感想。

                    やたら死神モノが目についた。

                    アヤカシの次は死神なのだな。

                    死神そのものはあたらしくないけど、

                    なんというか、ねえ。

                    ふうん〜、と思いました☆

                     

                     

                     

                    米澤穂信氏『真実の十メートル手前』よんだ【本のツボ】
                    0
                      評価:
                      価格: ¥ 734
                      ショップ: bookfan 2号店 楽天市場店
                      コメント:フリーの記者、太刀洗万智。彼女の取材にさまざまな人間が関わって、事件と彼女の観察眼に触れる短編集。後半の作品でかつての作品『さよなら妖精』の登場人物であったことがわかるのだが。ミステリの切り口を変えるとこうなるという、うならされる1冊。

                      米澤穂信氏の

                      『真実の十メートル手前』

                      を読了。

                       

                      短編ミステリである。

                      毎回主人公は変わるものの、

                      ヒロインは同じである。

                      フリーの記者、太刀洗万智。

                      言葉足らずなほどキレる観察力、

                      推察力で事件に関わる。

                       

                      挑むのではなく、関わる。

                      彼女が事件を解決するわけではないからだ。

                       

                      本作を読んでいると

                      「事件の解決」って何だろう、と思う。

                      被害者がいて加害者がいて。

                      それぞれに事情があって。

                      警察や裁判が終われば解決なのか。

                      そういうリアルさがある。

                       

                      タイトルどおりなのである。

                      ヒロインと主人公は

                      事件を解決はしない。

                      あらかた真相に近づき、

                      あるいは近づきすぎ、

                      そして当事者たちはーーー。

                      そういう物語である。

                       

                      このヒロイン、初出ではない。

                      『さよなら妖精』というユーゴスラビアからの

                      少女にまつわる、

                      おそらく米澤作品の中では異色といっていい

                      そういう作品に登場する。

                      氷菓シリーズのややあとくらい。

                       

                      正直、ユーゴスラビアの話だったとしか

                      覚えていないので、

                      (内乱とか文化の違いとかに

                      気持ちがいっぱいいっぱいになった)

                      あとで読み返そうと思ったら。

                      この夏に太刀洗ヒロインの続編

                      『王とサーカス』が文庫になると。

                      うむ。

                      両方よもう。

                       

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                      拙作。南極にだけいるペンギン、コウテイペンギンの「ぼく」が主人公の短編SFファンタジー。ぼくの記憶は前のぼくから、そしてつぎのぼくへと受け継がれて。世界を救っているんだという、ぼくの奮闘物語。
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