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『おすすめ「ネット小説」5選』に紹介いただいていました【小説】
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    『Fireタブレットの使い方』さまにて

    『おすすめ「ネット小説」5選』として、

    拙作の長編サスペンス小説

    『カラフルな風(いるかネットブックス)』

    を紹介していただいていました。

     

    しかも、去年の11月3日に。

    さらにはkindle本として。

     

    キャッシュというかアーカイブから

    チェックするので仕方ないのですが、

    毎度毎度、気づくのが遅くなりすみません!

    どうもありがとうございますっ!!

    ……たぶん、きづいてなかった、はず。

    ここでもご報告していなかった、はず。

    まあしてたら、何度してもいいってコトで。

     

    さらに言い訳を重ねると、

    拙作kindleではあまり売上げがごにょごにょ。

    だからよもや紹介をされるなど、

    思ってもみなかったのだ!

    光栄です。

     

    『カラフルな風』は

    風に色がついて見える女の子が

    風の色の変化を見て、危機を救うという

    ラブあり、サスペンスあり、

    お仕事ありの長編サスペンスです。

     

     

    主人公・風香をずーっと健気に見守る

    大学からの同期の爽に注目☆彡

     

    うん。夏にぴったりかも!

     

    auブックパスの読み放題プランいかがすか【小説】
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      ソフトバンクユーザーなので

      PCでしか楽しめないですが、

      auのスマホ、そしてすべての? PC

      で楽しめる電書サイト、

      auブックパスさまでは

      『読み放題プラン』 の設定があります。

      拙作も割と対応。

      「思う存分に電書を楽しみたい!」

      という方にお勧めです。

      拙作のページ

       

      拙作は、長編が多いので値段が高め。

      100円の商品はない。

      そういう意味ではお得なプランです。

      サスペンスが多いのですが

      キーワードタグにSFも入れているので

      SFランキングにわりかし入ってます。

      ありがたい。

      さすがに最上位層にはいませんが、

      3ページめくらいから

      わらわらといます。

      えへへ。

      『カフェ・ド・カズ』が読まれているよう。

      2013年の作品ですね〜。

      ……自分としては

      『南極からのしらせ』を発表して以来

      作品が安定してきたと思うので、

      できれば2016年以降のをお勧めしたいです。

      ぜひぜひ〜。

       

       

      よろしくデス。

      刊行2周年記念「南極からのしらせ」祭り、閉幕です!【小説】
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        ひと月に渡って行ってきました、「刊行2周年記念『南極からのしらせ』祭り」。

        本日、これにて閉幕でございます。

         

        最後の小ネタはこちら!

         

         

         

        ◆本日の小ネタ 2017.08.16
        *南しらとは。まとめ──*

        主人公・白瀬湊(しらせみなと)、彼は何ができ、何をさせられたのか。
        「このままじゃ俺はここにいるだけになる」
        本人もそう焦る。先輩・惇也は「それだけで充分なんだよ」と力説するが納得できない湊。
        そして南極、いや世界の動植物を統べるミスター・エンペラーは湊へ告げる。
        「湊ならできるよ。湊にしかできないよ。──やってくれるよね」(p149)
        湊は、何をするのか、それを問うこともせずにうなずく。そしてミスター・エンペラーとシンクロする。
        その後、湊が起こした行為。実は成功しようが失敗しようがどうでもよかった。
        湊がちゃんとシンクロできるかどうかに意味があった。
        そしてそれは、本作品で一番の問題とされている太陽の急激発達よりも実は切実に、人類か瀕していた危機を救うのだ。
        拙作・短編『輪廻するペンギンたち』、ここでは頻繁にミスター・エンペラーと『彼』とのやり取りが出て来る。『彼』の期待に無意識に、湊は応える行動を取り、そして世界は救われるのである。

        上記はまさに本編では語られないバックグラウンドの物語である。
        湊は単純に太陽の急速活発化をRWMの一同とともに阻止したのではない。
        ペンギンとの通訳として南極のロス棚氷まででかけたわけでもない。
        白瀬矗の血。作中では百年近く前からつないだ『縁(えん)』がつむいだ物語だ。
        孤高のペンギンだったミスター・エンペラーを彼と彼の子孫、湊の父がつないだからこそ、ミスター・エンペラーもあきらめずにすんだのである。
        ──このひと月、おつき合いいただけた格別の小ネタであります。

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         

        今後とも、どうぞ、『南極からのしらせ(エネルギーフォーラム社)』をよろしくお願いいたします。

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         

         

        南しら「未公開部分の試し読み、その2」【小説】
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          2th南白祭り、も残すところ、あと数日となりました。

          今日は「未公開部分の試し読み、その2」を公開!!

          『南極からのしらせ(エネルギーフォーラム社)』天川さく

          を今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

           

          ◆試し読み初公開(2)

           

           俺はどうして信じられた?
           だって……ミスター・エンペラーが言ったから。ただ、それだけだ。モニターを見ても専門外だからよくわからない。太陽風が吹き荒れると言われればそういうものかと思うくらいだ。
           天気予報と同じだ。
           午後から雨が降る、と言われれば傘を持って行こうと自然に思う。どういう理屈で雨が降るかなんていちいち考えない。せいぜい雲の色が黒くなってきたなと思うくらいだ。
           ミスター・エンペラーの不安は身体中に伝わった。
           世界各地の気温が上昇して南極大陸の氷河や棚氷が音を立てて海に崩れ落ちていく。取り残されたアザラシやペンギンが氷山のあちこちで声高く鳴いている。そして水位の上昇だ。急激な気温変化であちこちの大陸に水が押し寄せ島々をのみ込んでいく。それでも気温の変化は止まらない。ドンドン地上から水分は蒸発し、空気も乾燥して山火事が大発生。それだけではない。太陽の磁気嵐によって方位が狂ったイルカたちがどこを泳いでいるのかわからなくなって大量死。それから……それから。思いがあふれて胸が苦しい。
           けれどそれはすべて予想だ。現在起きている出来事ではない。
          『しっかりしろ。ちゃんと、もう起きている』
           惇也の声が耳に響いた。
          『日の出を迎えた地域からジリジリと気温は上昇を始めた。もう推測じゃない。現実だ』
           ポートモレスビー、東京、マニラ、東ティモール、台北(タイペイ)、ソウル、北京(ペキン)、ブルネイ、ハノイ、シンガポール、ジャカルタ……。
          『……どこも日の出から小一時間ですでに通常予報の最高気温に達している。午前中にそれを軽く突破する。あいつらの本社があるオーストラリアのブリズベンでも気温が急上昇しているはずだ。それをやつに伝えろ。データアクセスしてみろと言うんだ』
          「ブリズベン……。オーシャン・スマイル社の本社があるんだよな。そこですでに気温急上昇中だ。周辺海域でも今まで見たこともない温度になってる」
           男は湊の目を睨む。しばらくそうしていただろうか。湊に顔を向けたままで男は背後の部下が差し出したデバイスの画像に目を向けた。ほんのわずかに男の眉が動く。
          「……一時的なことだろ?」
          「だったらオーストラリア東側だけで起こるはずだろ? だけどミクロネシア諸島でも、さらには東南アジアでも起きている。これはどう説明つけるんだ? 無茶だろ」
          「気にするほどのことじゃねえっつってんだよ」
          「あんたが見せろっていった証拠だ。信じられないって言うなら、ポートモレスビー、トウキョウ、マニラ、東ティモール、台北、ソウル、北京、ブルネイ、ハノイ、シンガポール、ジャカルタの各サイトにデータアクセスしてみろよ。アクセスコードは……」
           ああもう、うるせえよ、と男は湊を振り払った。
          「こんなのが証拠? ならねえよ。これっぽっちのことで事態を変えるわけにはいかねえだろ。子どもだってわかるだろ」
          「これっぽっち? そんなわけないだろ」
          「ここまで掘削させんのに何十億かかってると思ってんだつってんだ。これ以上損害を出せねえんだよ。寝言につきあう暇は」
          「寝言じゃない。このままだと手遅れに。いやもう手遅れかもしれないんだ」
          「だったらなおさらどうしようもねえだろ? 最悪の事態? なりゃいいだろ。今より最悪な状況はそうそうねえよ。俺たちもお前もな」
           そう言って男は湊の額に銃口をピッタリとつけた。金属の冷たさが身体中に伝わっていく。
          「……この距離だ。はずすことはない。反動が酷いがしょうがねえわな。RWMの社員殺すと、どうなるんだっけかなあ。まあいいや。環境だなんだとうるさく言うヤツがひとりいなくなるだけで随分風通しがよくなるぜ」
           じゃあな、と男が鋭く目を細めた。
          『伏せろっ』
           惇也の声が頭に響く。銃口が額にあってどうやって、と思ったとき、銃声が響いた。額の金属もなくなっている。男がのけぞって、ゆっくりと床にひっくり返った。
           何が起きた? と思うのと同時に再び銃声が響いた。その銃声に周囲の武装部隊も後方に向かって一斉に発砲を始めた。
          『白瀬湊っ、ずっと伏せているんだ』
           惇也が叫び、湊は慌てて床に伏せた。さっきまで自分の額に銃口を突きつけていた男の顔が至近距離にあった。白目を剥いて口をポッカリと開けている。
          『大丈夫』
           惇也が湊の気持ちを汲んだように伝えた。
          『彼は死んでない。麻酔銃だ。RWMの強力なヤツ。即効性があって、かつ長時間意識が戻らないだけだ。君のせいで誰かが死ぬことはない』
          「……惇也さん」
          『今のところは』
           でもこれからはわからない、と惇也は続けた。
          『だから、お願いだから僕たちの指示に従って。いい?』
          「……はい」
          『六十五秒カウントして。それから頭を低くしてゆっくり立ち上がり、右手の壁に向かって走るんだ。何があっても止まるな。通路も飛び出していっていい。発砲されても構わず走れ』
           大丈夫、と惇也は繰り返す。
          『君には当たらない。そのまま走り抜け』
          「何があっても?」
          『そうだ。カウントダウン、スタート』
           惇也の声が消えて湊は夢中でカウントした。……六十三、六十四、六十五。言われたとおり頭を低くして立ち上がる。頭上を弾丸が飛んでいった。そのまま右手の壁に向かう。爆発が起きて目の前が煙で覆われた。それでも惇也の指示とおり湊は走り続けた。ほどなく通路に飛び出した。銃声がした。目の前の壁で何発も跳弾(ちょうだん)する。あと少しで行き止まりになる。どうすれば? 
           そう思ったとき、周囲が真っ暗になった。
           え? 停電? 
           足が緩んだ湊の手を誰かがフワリと掴んだ。そして力強く引き寄せる。
          「そのまま走ってください」
          「チサトちゃん?」
          「メイン電源を潰(つぶ)してきました。非常用電源が稼働するまであと二十秒です。それまでに外に出ます」
          「……どうしてここが?」
          「私のスキル、お忘れですか?」
           ああそうだった。湊の頬が緩む。でもこれをチサトちゃんひとりで? 走りながら湊の顔が歪む。違う。俺を殺そうとした男へ的確に麻酔銃を撃ちこむ者、そしてせっかくやってきたのだ、絶対にしておくべきオーシャン・スマイル社の稼働を強制停止、それをする者、その二人が必要で。そして、それは――。
           チサトが分厚い扉を開いていた。光が湊の目を刺す。冷たい風が顔に吹きつける。外だ。そして、そこには小型輸送機があった。ボブとマッドが立っている。

           

          (続きは本編で)

           

           

           

           

           

           

           

           

           

           

           

           

           

           

           

           

           

           

           

           

           

           

          『2th南しら祭り』南しらはどこで買えて読めるのか【小説】
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            さて、『2th南しら祭り』も佳境でございます。

            本日は、刊行2年たってもなお、販売・取り扱いの書店、図書館などをご紹介☆彡

             

            書店 / 全国紀伊國屋書店およびジュンク堂など(丸善日本橋店)。お取り寄せいただければ、もちろんお近くの書店でも。

             

            版元 / エネルギーフォーラム社の販売サイト
            「お問い合わせ電話番号」で販売依頼をしても購入できたとの話も聞きます)

             

            ミュージアムショップ / 極地研の北極・南極館ミュージアムショップにて常設販売中。


            通販 / (2017.8.11現在 在庫アリのところ)
            Rakutenブックス
            honto
            紀伊國屋書店ウェブストア
            Honya Club
            e-hon
            TUTAYAオンラインショッピング
            Amazonを含む他サイトでは取り寄せにお時間いただいています。

             

            図書館など / (確認分)
            鹿児島県視覚障害者情報センター(点字)
            札幌市図書館
            秋田県立図書館
            秋田市立図書館
            豊田市立中央図書館
            堺市立図書館
            広島市立図書館
            岡山県立図書館
            福岡県立図書館
            佐賀県立図書館
            小林市立図書館
             

            はい! 全部にリンクをはったヨ(゚Д゚)ノ 死にそうだ。

            どうぞ、ご参考になさってくださいませ!!

            というか、どこかに、とくにwebストアとかで星とか御意見、大募集中!!

            よろしくお願いします!!

            生きる支えになるのです!!

            湊の画像、つけるので。えへ。

             

             

             

             

             

             

             

             

             

             

             

             

             

             

             

             

             

             

             

             

             

             

             

             

            残暑お見舞い申し上げます☆彡

            *南しらとは──

            初代南極探検隊隊長である白瀬矗の子孫、白瀬湊。

            彼のもとに南極からメールが届いた。

            送信者はコウテイペンギン。

            しゃべるペンギン、ミスター・エンペラー。

            南極ロス棚氷で彼が教える太陽の異常とは──巨大磁気嵐。

            まさに人類滅亡の危機である。

            けれど湊へひそかに課せられていたのは、別の任務だった。

             

            人類最後の交渉人──

             

            長編SFサスペンス小説・単行本

            エネルギーフォーラム社

            天川さく

            『南極からのしらせ』

             

            販売中。

             

             

             

            『探査少年×ファイア』の試し読みです!【小説】
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              今回は『探査少年×ファイア』の試し読みです☆彡

              『2th南しら祭り』を開催していて、なかなか創作用HPに『探査少年×ファイア』のページが作れず。

              なので、ここで先行してご紹介〜。

              長編サスペンス『探査少年×ファイア』(いるかネットブックス)

               

               

               

               

               

               

               

               

               

               

               

               

               

               

               

               

              ◇◆試し読み◆◇


               教会に歌声が響いていた。
               讃美歌九十七番。
               一番後ろの席に座り、『クローバー』は天井を見上げる。左側にあるステンドグラス。そこからまさしく歌詞のとおりに差し込んだ朝日が礼拝堂を照らしていた。
               礼拝堂の中を赤や黄色に照らすその光、きらきらと輝くその光がクローバーの頭上も染めていく。大人と子どもの真摯《しんし》な歌声に導かれて、クローバーは目を細めてそれを仰ぎ見る。すがるように。救いを求めるように。そこから答えを導き出すために。けれど──。
               クローバーは目を伏せる。
               ステンドグラスをとおした光はまぶしすぎて、礼拝堂全体が揺らめいて見えた。どうしても燃える炎の中にいる感覚になる。
               もちろんステンドグラスのせいではない。
               さっき探査した案件のせいだ。
               もっと、と思う。
               もっと讃美歌を聴いていればこの感情は凪ぐのだろうか。
               もっと礼拝堂の空気を深くたっぷりと吸い込んでいれば、そうすればこのざわついた感覚は消えるのだろうか。
               そのときだ。
               背後に気配を感じた。
               直後、長いプラチナブロンドの髪がクローバーの両肩へと流れ、背中から細い腕がクローバーを抱きしめた。
               しなやかな細腕の主が耳元で甘い声を出す。
              「見つけた」
               振り向かなくてもわかる。コードネーム『黒猫《くろねこ》』だ。
               彼女はクローバーの耳元で囁き続ける。一応、礼拝中であることを考慮してくれているようだ。
              「凹むたびに教会へ姿を消すクセ、いい加減に治して欲しいわ」
               クローバーは軽く肩をすくめる。
              「凹んでなんていませんよ」
              「捜す身にもなれと言っているの。世界中にいくつ教会があると思っているの? ステンドグラスさえあればいいとなれば、キリスト教の教会限定にもできないわ」
              「社章バッジにGPS機能がついているでしょう? 碓氷《うすい》さんに聞けば僕の居場所なんてすぐに教えてくれますよ」
               黒猫がクローバーの耳を甘噛みする。
              「……私が彼女をどれだけ嫌いなのか知っていてよくそんなことを言えるわね」
              「彼女を愛してやまないのは恋人のフォックスさんくらいですよ」
               僕だって、とクローバーは左耳を指さす。超軽量のイヤホン型モバイルフォン、通称イヤーモバイルを装着していた。
              「せっかく心を癒しにここへ来たのに、ずっと強制接続されて碓氷さんに怒鳴られっぱなしです。半分も集中できない。讃美歌九十七番、大好きなのに」
              「やっぱり凹んでいるんじゃないの」
               しまった、とクローバーはかすかに眉を揺らす。
              「とはいえ、今回はすぐにわかった。この教会、あなたの通っていた教会に塔の形が似ているわ」
              「僕の通っていた教会? ……なぜ知っているんです?」
              「あなたの部長に画像をもらったの。『あなたの部下の少年がすぐにいなくなって大変迷惑しています。ヒントになる画像などお持ちではないでしょうか』ってね」
               クローバーは大袈裟にうなだれてみせる。プライバシーの侵害だ。
               まあ、わかるけれど、と黒猫は身を乗り出した。柔らかい白いシャツブラウスが半袖Tシャツ姿のクローバーの肌に触れる。大きく開いた襟元から黒猫の胸の谷間があらわになる。それを隠すことなく黒猫はクローバーの左手を取った。そしてその手首にはめた金属製のブレスレットを指先で撫でた。
              「クローバーの大嫌いな森林火災。しかも大規模火災。その発端を見つけたんですって?」
               黒猫は指先をブレスレットからクローバーの唇へと移動させる。クローバーは視線を伏せたままでその指先を掴んだ。「はい」とその指の中へ小型チップを入れる。
              「何これ」
              「僕がこの教会に来てから拾ったデータです。アジアの極東エリアのものだけしか入れていません。もっと欲しければつけ加えますが」
              「あなた──碓氷の怒鳴り声を跳ねつけてメンタルリセットしつつ、さらにはデータ整理もしていたの?」
              「情報調査部員ですから。キャリア九年の」
              「しかも十九歳。いろいろおかしいわよね」
              「二十二歳で修繕部員キャリア十一年のあなたに言われたくありませんね」
               むっとした気配を漂わせて黒猫はクローバーの耳の後ろに唇を当てる。そのまま首筋を舐めようとしてくる。どういう嫌がらせなのか。
               クローバーは、やれやれ、と姿勢を正し、それから黒猫がこの教会へ現れてから初めて彼女へ振り向いた。
               真っ直ぐに黒猫のその金色に近いグレーの瞳を見る。
               弾かれたように黒猫がクローバーから離れた。
               さっきまでの妖艶な雰囲気とは打って変わって険しい眼差しへと変わる。数秒視線を揺らし、黒猫は口の端を歪めた。
              「……やってくれたわね。クローバーのくせに」
              「『クローバー』ですから。みなさんへ幸せをお届け。そういったところですかね」
              「会長はそういう意味合いであなたのコードネームをつけたわけじゃないと聞いたけれど?」
              「相手に『キーワード』をプレゼントするのは事実ですから」
               それに、と続ける。
              「君もそうですよ。別に君は不幸を運んでいません。そのスキルは君のせいじゃない」
              「『黒猫』のように相手の幸運を奪う、それは事実でしょう?」
              「世の中の黒い猫たちは幸運を奪ってなどいません。黒い猫に対する冒涜《ぼうとく》だ。あれは黒猫が目の前を横切ったら不吉なことが起きるという迷信で──」
               もう結構、と黒猫は吐き捨てる。それからクローバーが渡した小型チップを押し返した。
              「あなたの『おかげで』私は行かなくちゃいけなくなったわ。そのデータは自分で渡して」
              「誰に」
              「ギフトさん」
               え、と眉を歪めるクローバーへ黒猫は畳みかける。
              「なんのために私があなたを捜していたと思うの? あなたをカフェに連れ戻すためよ」
              「カフェにギフトさんがいるということですか? だってギフトさんといえば」
              「運輸管理部の部長よ。ただの社員ではない。部長。それだけの事態だということよ。いい加減に状況の深刻性に気づいて」
               さすがにクローバーの顔も強張る。
               黒猫は繰り返す。
              「いい? 必ずカフェへ戻って。そしてそのデータチップをギフトさんへ渡して。今すぐによ。わかった? いいわね?」
               しつこく黒猫はクローバーへ指をさしてから礼拝堂から駆け出していった。
               我に返ると讃美歌は終わっていた。
               それどころか多数の視線を背中に感じた。
               そっとクローバーは祭壇へ振り返る。参列者たちがクローバーを見ていた。牧師は聖書を手にして困惑した顔を向けていた。
               さすがに騒ぎすぎたか。
               できれば──もう少しここの空気の中に身を浸していたかったのにな。
               クローバーはあきらめて席を立つ。
               そして牧師へ会釈をして、礼拝堂をあとにした。


              (つづきは本編で!)

               

               

              『2th南しら祭り』それぞれの南極事情小ネタ【小説】
              0

                ホームページにて『2th南しら祭り』という、拙作の刊行2周年記念祭りをやっております。

                「そこまでいくの、めんどー」というお方のために、ここでもご紹介。

                (クリックするだけなんだけどね)

                 

                 

                マッドとボブの南極事情
                作中にて主人公・湊を支える大人たち、マッドとボブ。
                彼らには湊につき合わざるを得ないほど、「南極に思い入れ」がある。
                作中では語られなかったその事情とは──。

                 

                マッドの事情:
                湊がミスター・エンペラーからメールをもらう3年半前。
                『氷の12月』と呼ばれる気象の大混乱が発生。世界は猛吹雪と寒波に襲われ、1億人が犠牲になった。
                実はこれ、単なる自然災害ではなく地軸が最悪逆転する『ポールシフト』を阻止するため、RWMが取った措置だった。人類70億人以上が犠牲になるか、1億人の犠牲にとどめるか──。そういうぎりぎりな事態であった。
                この措置に関わり落命した社員に、マッドが心底惚れてやまない女性がいた。彼女のために彼は離婚をしたほどであった。そしてマッドとしては彼女ではなく、自分がこの任に当たるつもりだった。彼女にはなんとしてでも生き残って欲しかったからである。
                けれど、彼女は先手を打った。
                傷心のマッドが現場復帰できたのは数年後のことだった。
                (詳しくは『粉雪ダウンバースト』『スノーボール・キス』を)


                ボブの事情:
                湊がミスター・エンペラーからメールをもらう半年前。
                南極にて「ペンギン大量死事件」が発生。犯人はもちろん人間であったのだが、エネルギー業界が絡むその原因やらなにやら、さらにはボブは知らないものの、ミスター・エンペラーとふんわりコミュニケーションを取れた社員に振り回されてボブは疲労困憊どころではない目に遭っている。
                頑固で粘着質で目の前に起きた出来事をすべて自分の手でなんとかしたいと躍起になる社員につきあわされて、最終的に被害に遭ったペンギン6727羽を一羽ずつ処置するハメになった。
                この「半年前」というワードは作中にてミスター・エンペラーも語っている。
                (詳しくは『ペンギン事変』を)

                 

                とまあ、人生いろいろなのです。

                今後とも、拙作をよろしくお願いいたしまする。

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                暑中お見舞い申し上げます【小説】
                0

                  8月に入りましたね。

                  『南極からのしらせ』刊行2周年記念も

                  折り返し。

                  暑中見舞いカードを作りました。

                  少しでも涼しくなっていただけたら

                  さいわいです。

                   

                  創作用HPでは小ネタも更新中。

                  遊びにいらしてください(´ω`)

                  創作用HP;Novels てがわさく

                   

                   

                   

                  『探査少年×ファイア』とは──【小説】
                  0

                    拙作、『探査少年×ファイア』

                    (いるかネットブックス)

                    が来週末くらいでほぼ電子書店で配信完了。

                     

                    速報しかお伝えしていなかったので、

                    あらすじなどやや詳細をばご紹介☆彡

                     

                    『探査少年×ファイア』

                    (いるかネットブックス)天川さく

                    デジタル・長編サスペンス小説

                     

                    *あらすじ*

                    森林火災の全身火傷から

                    生きのびた少年・クローバー。

                    彼には『死ぬわけにはいかない』事情があった。

                    さらには相手に

                    『キーワードを与える』スキルがある。

                    そして起きた事件は──森林火災。

                    しかも、完全なる人為的火災で

                    世界は火の海になる危機に。

                    それを回避するには

                    クローバーのスキルしかない?

                    9年間、避け続けてきた

                    森林火災と正面から向き合い、

                    そして少年は気づく。

                    僕の本当のスキルって?

                    少年が自分を許し前進するための、

                    切なく愛しい物語。

                     

                    *もくじ*

                    第1章 教会とステンドグラスと

                    アップルシナモンパフェ
                    第2章 ブレスレットとペンダント

                    と『彼女』
                    第3章 ファイア・ファイア・ファイア
                    第4章 火の粉とススと砂塵とファイア
                    第5章 炎の中と社員の本領と共同墓地

                     

                    *ボリュームなど*

                    原稿用紙換算枚数417枚

                    読了目安時間 5時間

                     

                     

                    これを「いるかネットブックス」さまでは

                    破格の「500円(税抜き)」設定に

                    していただきました!

                    (普通なら1200円相当になる……

                    ごめんなさい!! いるかさん!!)

                    いつまでやっていただけるか不明ですが、

                    拙作の長編はいるかさんの中で

                    いつも格段に低価格設定です。

                    (ほかのデジタル出版社さんは除く)

                    読み飛ばしてもいいから

                    最後までお読みいただきたいから。

                    先方から言われたわけではないが、

                    小心者のわたくしは

                    申し訳なくてときおり短編を書くという

                    そういうサイクルです。

                    短編は文字数に対して正規価格です。

                     

                     

                    (↑ 画像クリックで配信先一覧へジャンプ)

                    今回はいわゆるディープ回。

                    19歳の少年が主人公。

                    彼の成長を見ていただけたら幸いです。

                     

                     

                     

                    拙作『探査少年×ファイア』配信本格【小説】
                    0

                      拙作のデジタル長編サスペンス小説

                      『探査少年×ファイア(いるかネットブックス)』

                      が諸デジタル書店にて本格配信中です。

                       

                      *あらすじ*

                      森林火災の全身火傷から

                      生きのびた少年・クローバー。

                      彼には『死ぬわけにはいかない』事情があった。

                      さらには相手に『キーワード』を与えるスキル。

                      そして起きた事件は──森林火災。

                      しかも、完全なる人為的火災で

                      世界は火の海の危機に。

                      この大規模森林火災を回避するには

                      クローバーのスキルしかない?

                      9年間、避け続けてきた森林火災と

                      正面から向き合い、そして少年は気づく。

                      僕の本当のスキルって?

                      少年が自分を許し前進するための、

                      切なく愛しい物語。

                       

                       

                       

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                      天川さく
                      長編ライトミステリー。カズが主任となったカフェに通うヒイラギは「ペンギン好き?」とカズにいきなり訊ねられる。直後、舞い込んだ事件はペンギン大量死事件。そして現場は意外な場所だった。ツグミが足をひっぱり、ボブが頭をはたく。それでもヒイラギは己を曲げない。頑固で神経質な上に目の前にある事象すべてを自分の手で救いたいと躍起になる男、ヒイラギ。「カズとヒイラギがタッグを組むと案件が複雑になるんだよ。ふざけんなよっ」。ボブの雄叫びが響く場所はどこだ!
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                      天川さくの環境ガイド 〜地震・火山から暴走温室効果まで〜他人事じゃない、いま地球で起こっているコト
                      天川さくの環境ガイド 〜地震・火山から暴走温室効果まで〜他人事じゃない、いま地球で起こっているコト (JUGEMレビュー »)
                      天川さく
                      このところ天気がおかしいなと思ったことはありませんか? そんなぼんやりとした不安を少し減らします。天気だけではなく、地震や火山、放射線に海で起きていることまで、たっぷり幅広い環境ガイドブック。数式なし! 屁理屈もなし! 押しつけ意見もなし! 地球で起きているちょっとしたことを短い時間で知ってください。
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                      みずいろの花びら RWM
                      みずいろの花びら RWM (JUGEMレビュー »)
                      天川さく
                      短編ミステリ。
                      兄が死んだのは本当に事故だったのか?他殺?それとも…自殺?共感覚者の音色が挑む、美しく切ない事件。粉雪・スノーを経て、ヤキソバから3年後のモノガタリ。
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                      粉雪ダウンバースト・総集編 RWM
                      粉雪ダウンバースト・総集編 RWM (JUGEMレビュー »)
                      天川さく
                      長編サスペンス小説。親友・チカの失踪と同時に発生したクレーター・ダウンバースト事件。事件は複雑に絡みつき、さらに過激さを増し世界中に犯行予告声明が出された。──人類滅亡計画を実行する──。それはただの予告ではなかった。事件の真意は別にあり、16年に渡る計画が実行されようとしている。世界中を巻き込んだ事件の中心にいたのは、ひとりの青年だった。分冊版『粉雪ダウンバースト』を大幅修正加筆した総集編。
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                      スノーボール・キス RWM
                      スノーボール・キス RWM (JUGEMレビュー »)
                      天川さく
                      『粉雪ダウンバースト』事件の続編である。

                      長編サスペンス恋愛小説。「70億死ぬか、1億死ぬかって話ですよ」。キスによる情報収集スキルを持つキリンがたどり着いた先は地球滅亡!
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                      マッドサイエンティストの恋人
                      マッドサイエンティストの恋人 (JUGEMレビュー »)
                      天川さく
                      長編サスペンス。誰もが認めるマッドサイエンティストのフォックスは17歳からRWMの技術開発部の部長を務めている。そんなRWMに例によって任務が舞い込む。そのアイテムを超絶技巧で作成する中、恋人の碓氷に異変が。原因は17年前のあの事件!?フォックスの取った想像の斜め上をいく行動とは?
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                      終焉のソースヤキソバ
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                      天川 さく
                      長編ライトミステリ。文庫本。
                      音に色がついて見える音色。研修先にやってきたのはヤキソバが名物の街で。先輩マッドに振り回されて音色は任務を遂行できるか。
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