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伊坂幸太郎氏の『AX』よんだ!!【本のツボ】
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    評価:
    伊坂 幸太郎
    KADOKAWA
    ¥ 1,620
    (2017-07-28)
    コメント:殺し屋シリーズ最新刊である。久々すぎて、冒頭から懐かしい名前を見てほのぼのしていたのは中盤まで。父として、夫として、殺し屋として、人として、主人公の生き様に胸を打たれる。

    伊坂幸太郎氏の殺し屋シリーズ最新刊

    『AX(アックス)』を読了。

    アックス──。斧である。

    カマキリの斧、恐妻家である

    主人公の振り上げる斧の物語だ。

     

    この主人公は二つの仕事をしている。

    文具メーカーの営業。

    そして、妻と出会う前からやっている殺し屋。

    それも最強と謳われるほどの腕前である。

    その主人公が妻には頭が上がらない。

    中途半端なレベルではない。

    夜中に音を立てて怒られるのを懸念するあまり、

    空腹時に食べるのは魚肉ソーセージ。

    もっとあるが、本作をお読みいただき

    ご確認をば。

     

    どうしてそこまで恐妻家なのか。

    ……殺し屋家業が長いからである。

    息子もいる。殺し屋の彼に大切なものができた。

    絶対に守りたく、失いたくないものである。

    ゆえに彼は妻の機嫌をうかがうことを

    厭うどころか義務と思い、

    来世でも妻と結婚しお前を育てる、と

    日常生活を指摘してきた息子に

    平然として答える。

     

    とまあ、ここまではただの恐妻家、

    そして殺し屋とのギャップが愉快な物語。

    前半ですね。

    雑誌へ連作短編として掲載していたものである。

     

    後半は書下ろし。

    物語は一気に加速する。

    加速どころか、

    ちょっとおおおお!!

    ディープすぎるだろうがよおお!!

    と、夜中に身悶えた。

     

    Twitterでポロリと固有名詞を出して、

    危うくネタバレの危機にひんしたので

    同じ轍は踏めない。

    怖くて主人公の名前すら書けないぞ。

     

    言えるのはお約束でありながら、

    凄まじい執筆テクニックの連続がある、と言う点。

    どんでん返しもたっぷりである。

    さすが伊坂氏ともう読了後は号泣。

     

    読了した今では

    適当に開いた頁を読み返すほど。

    そんな本は初めてで、すごく愛しい本である。

     

    そして思う。

    「最初から家族を持たねばいいのでは?」

    殺し屋としてまっとうしたければ、

    大事なものを巻き添いにしたくなければ、

    結婚などしてはいけないのだ。

    けれど、彼はしてしまった。

    そこから物語は始まっている。

    大前提をくつがえせない。

    それに、とも思う。

    家族がいたからこそ、彼は……。

    おっと、これ以上はネタバレになるかな?

     

    とにかく言えるのはひとつ。

     

    傑作である。

     

     

    • 2017.12.16 Saturday
    • 21:46
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