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米澤穂信氏『折れた竜骨(上・下)』読了 【本のツボ】
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    評価:
    米澤 穂信
    東京創元社
    ¥ 651
    (2013-07-11)
    コメント:中世を舞台にした、魔術あり、不死ありの中、あくまでミステリを貫く作品。なんでもOKにしてしまう魔術を前に推理を続ける気合いに脱帽。だからこそ、もっと別の解決法もあったのかも、魔法で、と思わされてしまう。チャレンジ精神あふれる一冊だ。星は4つ

     現在文庫化されている米澤作品のラスト、
    『折れた竜骨(上・下)』である。
    いきなりの中世舞台物だ。
    「登場人物がみんなカタカナ!」
    「どころか、魔術が出て来る!」「不死ががくさん」
    「しかも舞台に戦が迫る!」
    「こんな中で推理をするのか」
    したんです。
    ヒロインの父、領主が殺され、
    その犯人に操られていた人物を当てる、というもの。

    筋道はさておき、書き手という立場で見ると、
    割とすぐにその人物は見当がついてしまった。
    二人にしぼられた。
    その二人でなければ、作品は盛り立てられない。
    そして、……当たった。
    切なくも潔い結末は武士道に通じる。
    ただ、魔術やらを出すとどうしても
    「別の最強の魔術が実はありました、
    ってこともできるじゃん? その人物、
    生き返るとかさ」
    と思える。思い出したらきりがない。
    実際、不死の輩も続出なのだ。
    しかも、推理の途中で戦が始まっちゃうし、
    それも推理の鍵となるわけだが。ううむ。
    あとがきを読むと、本作品、
    実はアマチュア時代にネット配信していたもので、
    プロデビューが決まって未完になっていたらしい。
    それをリライトしたものなのだ。
    「……なるほど。それでいきなり中世なのか」
    書きたかった気持ちはわかるけれど、
    ちょっと、いや、かなり強引さはぬぐいきれない。
    自分も過去作を無闇にリライトするのは止めよう、
    そう強く思った一冊だった……。

    • 2017.06.27 Tuesday
    • 09:50
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      Comment:
      2013/11/08 4:19 PM, 藍色 wrote:
      こんにちは。同じ本の感想記事を
      トラックバックさせていただきました。
      この記事にトラックバックいただけたらうれしいです。
      お気軽にどうぞ。
      Add a comment:









      Trackback:
      http://yorutukinohi.jugem.jp/trackback/341
      2013/11/08 4:15 PM
      ロンドンから出帆し、波高き北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。その領主を父に持つアミーナはある日、放浪の旅を続ける騎士ファルク・フィッツジョンと、その従士の少年ニコラに出会う。ファルクはアミーナの父に、御身は恐るべき魔術の使い手である暗殺騎士
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