STATE | ENTRY | <<new entry | main | old entry>> |
|
スポンサーサイト
|
|
おじさんの思い出【つれづれ】
三日前、伯父が他界した。
ここ数年お会いしたことはなかったものの、 電話でなんどかやり取りはあった。 大病を患っていたのでも事故でもなく、 本当に急でいまだ実感がない。 伯父との思い出……、なんだ、 と思い、真っ先に浮かんだのが、 「カレー事件」 であった。 あれはまだわたくしが小学校のころ。 伯父一家が遊びに来た。 伯父は大阪在住。 わたくしはもっと東の地域在住。 伯父一家のために母はカレーを作っていた。 あのころから激甘のカレーとは思っていたが、 伯父一家は席に着くなり、 匂いで察することもなく、 いただきます、と言ったあと、 いきなり 「ソースとってくれ」 と言った。 クリームソースとかトマトソースではない。 ウスターソースである。 そしておもむろにどばりんこんと カレーにウスターソースをかけたのである。 伯父だけではなかった。 三兄弟の従兄弟もそろってソースをかけた。 思わず、あ、と声を出したわたくしに、 伯父は 「なんやねん」 と不思議そうな 顔をしたのが今でも鮮明に残っている。 あれは……西の文化であったのだろうか。 それとも 「妹の料理は上手くない」 と経験則からの判断であったのだろうか。 それでもなんとなくわたくしはむっとした。 一口も食べないのに失礼だなあ、とな。 いや、確かに母はけして料理が上手くないけどね。 ん? これ、追悼文のはずだったのに。 ほかにエピソードが思いつかない。 ごめん、おいちゃん。 そんなこんなでカレー事件は いつまでも思い出深いのである。 今となればおいちゃんの気持ちがよくわかるよ。 ハウスバーモントカレー甘口に、 フルーツサラダの晩御飯。 今ならわたくしもウスターソースをかけたくなるな。 ちなみにそこまで甘党なのは母だけなのであった。 ほかの全員が我慢をしていたのであった。 あれはうん、おいちゃんの優しさだったんだな。 ありがとう、おいちゃん。 |
|
スポンサーサイト
|
Comment:
Add a comment:
Trackback:
トラックバック機能は終了しました。